2020年 02月 16日
万葉集 現代語訳 巻十七3914・3915
3914 ほととぎす今し来(き)鳴(な)かば万代(よろずよ)に語(かた)りて継(つ)ぐべく思ほゆるかも
ホトトギスが今ここに来て
鳴いてくれたら万代の
後にも語り伝える価値が
あると思えることだなあ
原注
これは、言い伝えによると、あるとき友人が集まって宴会を開いたが、その日その場所でホトトギスは鳴かなかった。そこでこの歌を作り、待ち遠しく思う気持ちを述べたという。しかし、その宴会の場所と年月とはまだ明らかでない。
山部宿祢明人(やまべのすくねあかひと)が春のウグイスを詠んだ歌一首
※山部赤人のことだといわれている。
3915 あしひきの山谷(やまたに)越えて野づかさに今は鳴くらむうぐひすの声
※枕詞:あしひきの
※「野づかさ」野の中の小高いところ。
山を越えて谷を渡って
人里近い野の丘で
今は聞こえていることだろう
ウグイスの鳴くその声が
原注
これは、年月と場所とがまだ明らかでない。しかし、聞いたときのままここに記載する。