口上

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定型詩を口語訳する定型詩による口語訳

当店の主な商品には
近ごろ気になる新発明?
巷でうわさの定型口訳を
惜しみなく使用させていただいております

皆さま方のご要望にお応えし
よい塩梅に調整してございますので
いつも快適にご利用いただけます

ご家族やご親族、ご近所の皆さま方で
仲良く分け合ってお試しくださいますよう
謹んでお願い申し上げます


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# by sanukiyaichizo | 2017-12-31 09:20 | Comments(0)

広河女王(ひろかわのおおきみ)の歌二首
原注
穂積皇子(ほずみのみこ)の孫娘で、上道王(かみつみちのおおきみ)の娘である。
694 恋草(こひぐさ)を力車(ちからぐるま)に七車(ななくるま)積(つ)みて恋ふらく我が心から
 ※「恋草」激しい恋の情熱を草の旺盛な生命力に喩えたもの。
 ※「力車」荷物を載せて人が後ろから押していく車。

    七台分の恋草を
    手押し車に積み上げて
    恋に苦しむこともみな
    私の心のなせるわざ

    
695 恋は今はあらじと我(あれ)は思へるをいづくの恋そつかみかかれる

    もう恋なんかするまいと
    私は思っていたけれど
    どこに隠れていた恋が
    つかみかかって来たのだろう


石川朝臣広成(ひろなり)の歌
原注
後に姓高円朝臣(かばねたかまとのあそみ)の氏(うじ)を賜わった。
696 家人(いえびと)に恋ひ過ぎめやもかはづ鳴く泉(いずみ)の里に年の経(へ)ぬれば
 ※「泉の里」京都府木津川市加茂町。

    わが家の妻を恋う心
    忘れはしない蛙鳴く
    泉の里で年を経て
    離れて過ごしてきたけれど


大伴宿祢像見(かたみ)の歌三首
697 我(わ)が聞きにかけてな言ひそ刈薦(かりこも)の乱れて思ふ君がただかそ
 ※枕詞:刈薦の
 ※「かけてな言ひそ」〈かく〉言葉に出して言う。〈な~そ〉禁止。
 ※「君」敬愛する人をさす。ふつうは女から見て男を言うが、ここでは逆。作者が若い、相手が身分
  の高い女性であるなどが考えられる。
 ※「ただか」その人自身。

    言葉に出してわたくしに
    聞かせないでくださいね
    私が乱れて恋い慕う
    まさにあなたのことをです

    
698 春日野(かすがの)に朝居(い)る雲のしくしくに我(あ)は恋ひまさる月に日に異(け)に
 ※「しくしくに」しきりに。
 ※「異に」いよいよ。いっそうまさって。

    朝春日野にかかる雲の
    ようにしきりにわたくしの
    恋の思いはつのります
    月ごと日ごとにいやましに


699 一瀬(ひとせ)には千度(ちたび)障(さわ)らひ行く水の後(のち)にも逢はむ今にあらずとも
 ※「瀬」急流。
 ※「障らひ」〈ひ〉は反復継続〈ふ〉の連用形。あちこちひっかかり。何度も邪魔されて。

    千度妨げられようと
    激しい流れを行く水の
    ようにあとで逢いましょう
    たとえ今は逢えずとも



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# by sanukiyaichizo | 2017-09-20 00:00 | 万葉集巻四 | Comments(0)

大伴宿祢三依(みより)が別れを悲しんだ歌
690 照る月を闇に見なして泣く涙衣(ころも)濡(ぬ)らしつ乾(ほ)す人なしに

    月が明るく照らすのに
    闇夜と思うほど泣いた
    涙が衣を濡らしても
    干してくれる人もない

大伴宿祢家持が少女に贈った歌二首
691 ももしきの大宮人は多かれど心に乗りて思ほゆる妹(いも)
 ※枕詞:ももしきの
 ※「大宮人」宮廷の官人。

    宮仕えする宮人は
    多いけれどもわたくしの
    心にしっかり乗りかかり
    忘れられないあなたです


692 うはへなき妹(いも)にもあるかもかくばかり人の心を尽(つ)くさく思(おも)へば
 ※「うはへなき」つれない。愛想のない。
 ※「心を尽くさく」ク語法。気をもますこと。

    なんてつれない人だろう
    これほどまでにあれこれと
    私の心を擦り減らす
    あなたの仕打ちを思ったら


 ※湯原王の歌(631)の模倣とされる。

大伴宿祢千室(ちむろ)の歌
原注
未詳。
693 かくのみし恋ひやわたらむ秋津野(あきづの)にたなびく雲の過ぐとはなしに
 ※「秋津野」奈良県吉野町宮滝付近の秋津の野か。

    恋しい気持ちがこんなにも
    続いていくのか秋津野に
    たなびく雲が消えていく
    ように消え去ることもなく


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# by sanukiyaichizo | 2017-09-19 00:00 | 万葉集巻四 | Comments(0)

大伴坂上郎女の歌七首
683 言ふことの恐(かしこ)き国そ紅(くれない)の色にな出(い)でそ思ひ死ぬとも
 ※枕詞:紅の
 ※「色にな出でそ」〈な~そ〉禁止。顔に出してはいけない。

    人の噂の恐ろしい
    国ですだからくれぐれも
    顔に出してはいけません
    たとえ恋に死のうとも


684 今は我(あ)は死なむよわが背(せ)生けりとも我(わ)に寄るべしと言ふといはなくに

    もうわたくしは死にましょう
    生きていてもわたくしに
    心を寄せてやろうとは
    言ってくれないでしょうから


685 人言(ひとごと)を繁みや君の二鞘(ふたさや)の家を隔(へだ)てて恋ひつついまさむ
 ※枕詞:二鞘の
 ※「人言を繁み」人の噂がしきりであるので。
 ※「や」疑問。
 ※「いまさ」〈あり〉の尊敬未然形。

    人の噂がひどいから
    あなたは離れた家に住み
    私を恋しく思いつつ
    逢わずにいようと思うのか


686 このころは千歳(ちとせ)や行きも過ぎぬると我(われ)や然(しか)思(おも)ふ見まく欲(ほ)りかも
 ※「見まく欲り」逢いたいと思う。

    逢わずに千年過ぎたかと
    このごろ思ってしまうのは
    私が思うだけなのか
    それとも逢いたいからなのか


 ※〈や〉〈や〉〈かも〉と疑問の係助詞が三度使われている。解釈の別れるところだろう。

687 愛(うつく)しと我(あ)が思(おも)ふこころ早川(はやかわ)の塞(せ)きに塞(せ)くともなほや崩(く)えなむ
 ※「愛し」いとしい。
 ※「崩えなむ」崩れてしまうだろう。

    いとしく思うわたくしの
    心は流れの速い川
    いくら堰き止めたとしても
    崩れて流れ出すだろう


688 青山(あおやま)を横ぎる雲のいちしろく我(われ)と笑(え)まして人に知らゆな
 ※「いちしろく」形容詞〈いちじるし〉の古形、連用形。
 ※「知らゆな」〈ゆ〉受身。〈な〉禁止。知られないように。

    白い雲が青山を
    横切るようにはっきりと
    私に笑顔を投げかけて
    気づかれないよう気をつけて

689 海山(うみやま)も隔たらなくに何しかも目言(めこと)をだにもここだ乏(とも)しき
 ※「隔たらなくに」隔たっているというわけでもないのに。
 ※「目言をだにも」逢って話すことすらも。
 ※「ここだ」こんなにはなはだしく。
 ※「乏しき」少ない。

    海やま隔てていることも
    ないのにどうしてお逢いして
    話すくらいのことですら
    こんなに少ないのでしょうか



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# by sanukiyaichizo | 2017-09-18 00:00 | 万葉集巻四 | Comments(0)